2016-10-20(Thu)

今年最後?の日本アルプス ~無念の大キレット断念~

こんばんは。

ひたすら悪天候に泣かされた今年の夏山シーズン。
10月に入っても天候は回復せず、シーズン締めくくりの三連休(体育の日)も序盤は悪天候でした。

が、連休終盤辺りから回復して晴れ間が続いたので、ここぞとばかりに北アルプスへ行ってきました。
時期的なことを考えると、アルプス地区に行けるのは今年最後になると思われます。


【今回のコースと所要時間】
(1日目)
・上高地 → 横尾山荘(2時間10分)

(2日目)
・横尾山荘 → 槍沢ロッヂ(1時間)
・槍沢ロッヂ → 大曲の分岐(50分)
・大曲分岐 → 水俣乗越(45分)
・水俣乗越 → ヒュッテ大槍(1時間40分)
・ヒュッテ大槍 → 槍ヶ岳山荘(50分)

(3日目)
・槍ヶ岳山荘 → 上高地(5時間30分)



登山_アルプス10_001

新宿からバスに揺られ、やってきました上高地。
天候と日程の関係も有りますが、今回は苦手な夜行バスではなく日中の移動です。
既に紅葉はピークを過ぎていますが、今年はそもそも天候不順により紅葉も不調だったようですね。
奥に聳えるのは今年7月に登頂した穂高連峰の勇姿です。 三ヶ月前ですが、なんだか懐かしいですね。



上高地からのんびり歩くこと約2時間、本日の宿である「横尾山荘」に到着しました。
ここは涸沢・槍ヶ岳・常念岳への各登山道が分岐する交通の要所に位置する為いつも賑わっています。
以前から興味があった小屋なのですが、位置的に通過する場所にあるので、今回初めての利用となります。

登山_アルプス10_002

登山_アルプス10_003

予約制の横尾山荘は水と電気が豊富で建物も新しく、街の旅館並に快適で、食事もとても美味しいかったです。
そしてなによりお風呂付き!(上写真の右端にある建物がお風呂棟。)
例えるなら、南アルプスの白根御池小屋にお風呂が付いたような綺麗さ・快適さですね。



快適な小屋で爆睡した翌日、一路槍ヶ岳を目指して出発です。 二年ぶりの登頂を控えて気分も高揚中!
最短で槍ヶ岳へ行くならそのまま槍沢ルートを登るのですが、今回は敢えて途中から東鎌尾根へ向かいます。
水俣ルートを通ってみたかったのと、東鎌尾根の展望や歯応えを再び味わいたかったからです。

登山_アルプス10_004

登山_アルプス10_005

この水俣ルートは一般的に東鎌尾根からのエスケープルートとして利用されますが、そこを敢えて登る私・・・
ダケカンバの生い茂る急登ですが踏み跡は明瞭で、北岳の「草すべり」に似た雰囲気のコースですね。



登山_アルプス10_006

45分程で「水俣乗越」へ到着。 ここで東鎌尾根と合流します。
向かって左側へ進みますが、いきなり岩場の登りでワクワクしますね。



登山_アルプス10_007

ヒュッテ西岳から大きく下った後に再び登り返す東鎌尾根ですが、水俣乗越は丁度その中間地点に位置します。
つまり、これからは基本的に登り一辺倒で、険しい地形と薄い空気と相まって辛い後半戦が始まります。



東鎌尾根のハイライトと言えるのが、この「窓」と呼ばれる場所にある恐怖の三段梯子!

登山_アルプス10_008

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巨大な崩壊地にあるこの梯子。 危険なのでストックを収納し、ヘルメットの着用を推奨します。



梯子場が大好きで、大崩山・八ヶ岳・アルプス各地の梯子を巡ってきた私ですが、ここは最も印象深い場所の一つです。
岩が突き出ている部分は足をかけにくいので、三点支持の基本を守って慎重に通過しましょう。

登山_アルプス10_010

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ここは梯子その物よりも、直後にある両側が切れ落ちた狭い道に注意すべきだと思います。
特に槍沢側は深く切れ落ちており、転落したらおそらく助からないと思われます。 くれぐれも慎重に。



槍ヶ岳からは東西南北の四方に尾根が伸びており、現在は東尾根に当たる「東鎌尾根」を歩いています。
そして正面に聳えるのが北の尾根である「北鎌尾根」です。

登山_アルプス10_012

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この北鎌尾根は別格の存在で、所謂「バリエーションルート」と呼ばれ、一般登山道には含まれません。
一般登山道では無いので一切整備されておらず、険しい岩稜帯が延々と続く上級者向けの危険なコースです。



登山_アルプス10_014

水俣乗越から2時間弱で「ヒュッテ大槍」に到着。 現時点では既に今年度の営業は終了しています。
ここから槍ヶ岳山荘までが東鎌尾根の最後の区間になりますが、前回は道を間違えてしまいました。



登山_アルプス10_015

下に見える赤い屋根の小屋が「殺生ヒュッテ」で、やはり既に営業を終えています。
左上に見えるのが「大喰岳(3101m)」で、小屋と大喰岳の間に見えるのが槍沢から登ってくるルートです。
この付近から槍ヶ岳山荘までは地獄の急登が延々と続き、楽だった槍沢ルートが一変してきつくなる区間ですね。



登山_アルプス10_016

ヒュッテ大槍から先は、まさに槍ヶ岳の足下をすり抜けるような迫力満点の展望が楽しめます。
この付近は全区間が岩稜帯で、穂高の吊尾根っぽい雰囲気ですね。



横尾山荘を出発しておよそ5時間。 二年ぶりに「槍ヶ岳山荘」にやってきました。

登山_アルプス10_017

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槍ヶ岳山荘の公式サイトではライブカメラの映像が見られますが、そのカメラがおそらくこれでしょうね。
天候や人出の確認に重宝しています。



小屋にチェックインしたら、早速槍ヶ岳の頂上へアタック開始! この梯子場も懐かしいです。
ちなみに槍ヶ岳の頂上ルートは登りと下りで道が分かれており、梯子は左が登りで右が下り専用です。

登山_アルプス10_019

登山_アルプス10_020

天空へ続くかのようなこの梯子も、数ある梯子場の中で特に印象深い物の一つですね。
まさに断崖絶壁ですが、梯子が整備される前はどうやって登頂していたのでしょうか。



登山_アルプス10_021

二年ぶりの槍ヶ岳登頂! 少し雲が出てきましたが、空気が澄んでいて展望は抜群でした。
ちなみに3種類あった看板が1種類しか有りませんでした。 やはり台風で飛ばされたのでしょうか?



登山_アルプス10_022

頂上からは今夜の宿である槍ヶ岳山荘がよく見えます。  複数の建物で構成される巨大な小屋です。



登山_アルプス10_023

そちてこちらが北鎌尾根の様子。 距離が長い上に地形も険しく、途中でビバークするのが一般的だそうです。



登山_アルプス10_024

槍ヶ岳山荘は収容人数650名という国内最大級の大きな小屋ですが、館内も複雑で迷いそうな広さです。

今回はシーズンもほとんど終わりかけの時期でしたが、それでも人は多く、特に外国人が多かったです。
食事の際には、右隣には欧米系のグループが、左隣にはアジア系のグループが座り、なんとも国際色豊かな食事でした。
アジア系の人達と異なり、欧米系の人達は箸の扱いに苦労している様子でしたが、無理も有りません。
郷に入っては郷に従えとは言いますが、フォークの貸し出しが有っても良いかも知れませんね。



そして三日目。 この日は大喰岳・中岳・南岳を経由し、大キレットから北穂高岳へ抜ける予定でした。
が、晴天では有る物の、この日も気温が低く、なにより非常に強い風が常時吹き続けている有様。
一応大喰岳まで進んでみましたが、余りの寒さと強風に、やむなく断念して下山することにしました。

寒さは衣類の調整で対処できますが、強風だけはどうしようも有りません。
長谷川ピークや飛騨泣き等の岩場で強風に煽られたり、岩やプレートが凍結していたら死に直結します。
7月に通過した涸沢岳~北穂高岳の稜線は大キレットよりも高難易度とされますが、
あの時は気温が高く、風もほとんど無くて、地形以外の危険さは有りませんでしたが、今回は話が違います。


・・・と言う訳で、念願の大キレット越えは来年まで持ち越しとなりました。 登山を始めて以来、初めての撤退です。
後ろ髪を引かれる思いで槍沢ルートを下りましたが、稜線を見上げると恐ろしい速さで雲が流されており、
この状況で大キレットに突入したら危険だったと納得しました。 また来年頑張ります。



帰宅後に天候が穏やかになったのが何とも恨めしいですが、今年のアルプス登山はおそらく打ち止めでしょうか。
今年は雪が少なく、六月早々に八ヶ岳縦走を達成するなど上々の滑り出しでしたが、
その後はひたすら雨にたたられ、結局、裏銀座や南ア南部の縦走も実現できずに終わりました。


今年得た教訓は、「地形や天候との相性や交通の便を考慮し、優先順位を決める事」という点でしょうか。
毎日あるぺん号などの登山バスは7月中旬から8月一杯まではほぼ毎日運行していますが、9月以降は激減します。
また、シーズン終盤には小屋締めや気象悪化の影響で通行が困難になるコースも有ります。

なので、シーズン終盤でもバスが多く、気象的にも影響を受けにくい表銀座コースなどは後回しにして、
それとは真逆の環境にある大キレットや南ア南部などはチャンスが有り次第、早々にアタックするという訳です。
来年は今年断念したこれらのコースを最優先にしたいですね。


一方、念願だった八峰キレットや前穂高岳・北穂高岳の縦走に加え、八ヶ岳や中央アルプスへの初登頂、
キレット小屋や横尾山荘といった気になっていた小屋への宿泊など、色々得る事が出来たシーズンでも有りました。
特に八峰キレットや穂高稜線など、岩稜帯での経験を豊富に得ることが出来たのが大きいですね。

来年の夏山シーズンが今から待ち遠しいです。


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欧米メーカーの飛躍とアジア系メーカーの追い上げ。
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