2008-05-28(Wed)

海外向けの商品を作る難しさ

どうもこんばんは。
毎回毎回夜中に執筆していますが、今回も丑三つ時の更新です。



私が購読している経済誌の一つに「東洋経済」という雑誌があるのですが、その5月24日号の特集は「自動車革命」。
多彩な趣味の中でも特に興味のある自動車関連の特集と言うことで、速攻で購入してみました。

毎度の事ながら非常に面白い記事ばかりだったのですが、そんな中で特に気になったのが、インドの自動車メーカー「タタモーターズ」が制作した実売価格28万円の自動車「ナノ」の記事です。

28万円という価格はもちろんですが、それ以上に興味深かったのが、そこに至るまでのマーケティングの内容です。




28万円を実現するのは当然ながら至難の業だったようで、各所で徹底的なコストカットが行われています。
全てのブレーキがドラムブレーキなのはもちろん、タイヤのホイールも日本円で約560円!
日本におけるアルミホイールの大体の価格は、17インチ用が4本セットで10~20万くらいですから、これは安い。
まあ、サイズも小さいしそもそもアルミではないというのもありますが、それを考慮しても破格の値段ですね。

エアバッグ、ブレーキブースター、ABSといった安全装備も皆無なのが非常に気になります。
万が一事故が起きたら高い確率で致命傷でしょう。 インドの法律ならではの仕様でしょうか。



さて、私が一番感心したのは「現地の法律・交通事情・ユーザーのニーズ」を熟知した上での仕様により、28万円という価格を実現している点です。

いくつか例をあげてみると、

(1)この「ナノ」の最高速度は時速100km、実用最高速度は70km程度。
(2)ドアミラーは運転席側に1個のみ

どうでしょうか。
実用速度は日本の軽自動車以下ですし、ドアミラーが片方だけというのも日本の常識からするとあり得ない話ですね。

しかし! ここからがポイントです。

まず(1)の動力性能に関してですが、インドは世界最悪レベルの交通渋滞に悩まされており、さらに主要幹線道路なども未完成の状態です。
従って、時速100km以上の速度性能など不要、不要というかあっても使いどころがないという状況なのです。

次に(2)のドアミラーが片方しか無い点に関してですが、なんとインド人はミラーはあまり使用しないそうで、特に運転席と反対側の左のミラーは見ないに等しいそうです。
さらにインドの法律では、助手席側のドアミラーは装着義務が無いそうです。

いかがでしょうか。
「ユーザーのニーズ」「現地の法律」「現地の交通事情」を熟知しているからこその対応ですね。
これらの事実を知らない海外メーカーが同じ価格で造ろうと思っても絶対実現できなかったでしょう。



この記事を読んで私が学んだこととしては、やはり現地のユーザーのニーズや文化を熟知していないと、その土地で売れる商品は作れないという事です。
私のWebサイトの「日本の企業の状況は?」でも書きましたが、現在のゲーム業界は欧米が主要市場となっており、日本市場はニッチ市場となりつつあります。

従って、必然的に日本メーカーは海外市場に打って出る必要があるのですが、全く文化が異なる市場で受け入れられる商品を作るのは簡単な事ではありません。
単に日本語を英語に翻訳して発売するだけでは不十分なのです。
様々な手法を駆使して現地の文化を研究する必要があるでしょう。



国内市場の縮小と海外メーカーの台頭で苦戦する日本のゲーム企業。
その状況を打開するヒントが今回の記事に隠されていたような気がしました。

それでは。

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Sonic478

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職業デザイナー
業種ゲーム業界
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趣味1旅行、情報発信、車、カメラ、ゲーム
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業界関係者の視点から、業界の魅力・問題点など、色々紹介しようと思います。

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残業と休日出勤。
欧米メーカーの飛躍とアジア系メーカーの追い上げ。
悩みの多い日々ではありますが、日本のゲーム業界の飛躍を目指して頑張ります。

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